南都見聞録−その2−

2日目はレンタカーでの旅となった。


まずは、斑鳩地方に足を伸ばして、法輪寺へ。聖徳宗のお寺で、三重塔がある。
ここにはたくさんの仏像があった。飛鳥時代から、平安時代、江戸時代まで。皆それぞれ顔に特徴があり違うね。


次に、歩いて法起寺。ここも聖徳宗で三重塔がある。仏像もいくつかあったが、ガラス越しに拝むことしかできなかった。(光が反射して見えないぞ)


次は、2日目の山場、法隆寺*1
門をくぐろうとすると、仁王(正式には金剛力士ですぞ)に睨まれた。それをくぐり抜け、まず向かったのは五重塔。日本最古の五重塔であり、他の五重塔と同じく仏舎利がまつられている。しかし、至る所に仏舎利があるが、一体、いくつあるのか?一説によると、アジアだけで2トンあると言われている。やはりデカイな釈迦は。
次に、本尊が安置されている金堂。中は暗かったけど、ガイドの人が照らす懐中電灯で、釈迦三尊像が見られた。意外に小さかった。ガイドブックや写真集を読み、自分の中で勝手に大きくなっていたようだ。


この本で予習していった。これは買いですぞ。

お次は大講堂。薬師三尊像である。そして、聖霊院、大宝蔵院*2。そしてそして、百済観音堂である。ここには、百済観音が安置されている。8等身のスレンダーなお姿である。素晴らしい。
ここらで休憩したいところだが、休む暇もなく、大宝蔵殿へ。なんと、「平成18年度秋期秘宝展」というのが開催されているではないか。勇んで入ってみたが、パンフレットを見ると、約100近くの展示物がある・・・。時間的に大丈夫か???少し急ぎ足で中を見たが、一番印象に残ったのは、「七難図」。盗難、水難、地震難等々の絵が描かれていたが、貧難の図が特に印象に残った。切ないねぇ。
さぁ、次は夢殿に向かった。ここも教科書などでよく見ますなぁ、残念ながら今回、救世観音は見られなかったけど*3


夢殿から奥へ進むと、中宮寺へとつながっている。法隆寺と比べると非常に地味な印象を受けるが、ここには弥勒菩薩が安置されている。如意輪観音とも言われているけど、明確な判断基準が無いのかしら。というか、信仰の対象としては、ジャンルは関係ないと思われる。


超急ぎ足で法隆寺を辞し、車で1時間くらいかけ、談山神社へ。大化の改新発祥の地である*4。やはり、有名なのは十三重塔だと思うが、これがまた思っていたものよりも小さく感じた。また、中大兄皇子中臣鎌足が蹴鞠を行ったことに由来するんだろうが、サッカーの上達祈願に来る人も多いみたい。ちなみに、サッカー日本代表のユニフォームが供えられていた。
参道で、コンニャクの味噌田楽を食べたが、これがすこぶる美味かった。


予定時間オーバーしたまま、次の目的地、長谷寺へ。嗚呼、しかしここでも秋期寺宝展が行われてる・・・。というわけで、400段もある階段の途中で寺宝展をみつつ、お参りしました。しかし、足が・・・痛い・・・。
本尊は、約10メートルの十一面観音。西大寺のよりも大きい。しかし、作るの大変だっただろうなぁ、と思いつつ。


次に安倍文殊院へ行った。安倍晴明の出生寺とのことだが、それと関係してか、妙に参拝者が多かった。また子供連れも非常に多かった。
ここは、境内5カ所でスタンプを押すと、数珠がもらえるという企画*5をやっていたので参加した。まぁ、集客できますわなぁ。
で、ここは文殊院であるから当然、本尊は文殊菩薩である。これは、快慶の作品で、大きさも7メートルもあるとのことで、今回見たいと思っていた仏様のひとつであったが、実際に見てみて素晴らしいと思った。他に形容しようがないですな。


次は、飛鳥寺。日本最古のお寺であり、日本最古の仏像がある。
また、お寺の裏に蘇我入鹿の首塚があった。歴史は勝者によって作られるので仕方がないのかもしれないが、敗者へのぞんざいな扱いを非常に寂しくそして恐ろしく感じた。


次、石舞台古墳蘇我馬子の墓という説が有力らしいが、今となっては調べようがないですな。石の下に入れるんですね。


ほんの少し車を走らせ、橘寺に向かった。聖徳太子が生まれた所である。
本堂が工事中だったが、ここは太子一色であった。
というか、終盤、もう疲れてきた。


さぁ、本日の最後、高松塚古墳。壁画で有名な古墳だが、壁画が危ない*6とのことで、大工事中だった。湿度とか、温度とか、雨水とか、カビとか色々な要因で劣化しているとのことだが、工事の足場に大きな「すいがら入れ」とかかれた缶が置いてあった。たばこの煙は問題ないのか。


今日も詰め込み過ぎ感が一杯であったが、何とか予定通り廻ることができた。
レンタカーを返した後、抹茶パフェを食べた。疲れには甘い物が一番ですな。


夜は、猿沢の池と興福寺五重塔へライトアップ(奈良県観光情報 大和路アーカイブ)を観に行った。っつうか、ホテルから歩いて5分。ホテルのすぐそばに五重塔があったというわけか。


さて、今日の強行スケジュールの反省というわけで、飲み屋で酒を飲んで、カフェでさらに酒を飲んだあとホテルで、明日の行程を吟味した。優先度の高いものを先に持ってくることにした。はてさて、予定通りまわれるかどうか。


今日は、昨日と比べて、仏像の近くに寄れないお寺が多かった。
しかし、距離は関係ないのかもしれない。今日の廻ったお寺では、ガイドの人が懐中電灯で仏像を照らし、説明しているところが多かった。僕も懐中電灯を持っていっていたけど、法隆寺の百済観音堂のガラスケースの中の仏像と玉虫厨子以外を照らすことはできなかった。
やはり、仏像を懐中電灯で照らすという行為は、正しくないと思う。
と、考えながら、明日も早いなぁと考えつつ寝ます。

*1:ここは、中学校の修学旅行で来たはずなんだけど、全く憶えていない。

*2:スピードアップしてきた

*3:年に2度しか開帳されない

*4:パンフレットによると

*5:常時やっているのか?

*6:カビなどで