仏の顔も三度

仏像ブームらしい。
僕は幼少の頃からの仏像フリークなので(My弥勒菩薩を持っている)うれしい限りだが、根底にある疑問というか命題である「仏像は見るモノではなく拝むモノ」ということを、やはり考えてしまう。仏像の美術としての側面と、宗教としての側面(この表現が正しいかどうか分からないが、病気治癒や平安を願う気持ちの表れとしてのモノ)の両方があるには違いない。しかし、興福寺の阿修羅(良いと思うけど、ランキング1位ではないな)、東大寺戒壇院の四天王、六波羅蜜寺空也上人など、仏ではないものが、仏像というカテゴリに押し込められているのも、また事実であり、それらも美術と宗教の側面を持っているのである。
というわけで、大きな意味での仏像と、美術と宗教の両方の面から見た仏像を考えると、おすすめベスト5は、

  1. 観世音寺太宰府の戒壇院があるお寺。ここには、大きな仏像(3メートル超)がいくつかあり、かなり間近で見る(拝む)事ができる。おすすめ。
  2. 東大寺の三月堂:敢えて指定するなら、不空羂索観音である。大きくて格好いい。格好いいという表現はどうかと思うが、りりしくて威圧感があって怖い。お堂に入ると、ビリッとした空気を感じる。
  3. 平等院鳳凰堂:あまりにもベタだが、ここの阿弥陀如来はあとからグッと来る。定朝の作品は全体的にのっぺりとした感じで、パンチが無い。実際、最初に見たときは何とも思わなかった。むしろ、建物や、再現された池に興味を持ったくらいである。しかし、時間が経つにつれて、良さがこみ上げてくるとおもう。と書いていたら、見に行きたくなってしまった。
  4. 法輪寺:奈良の法隆寺の近くにあるお寺。幸田文が再建に尽力した三重塔がある。ここも、大きな仏像が近くで見られる。しかも、裏側も見られる。飛鳥時代だけではなく、平安時代の仏像も一緒に並べてあるので、時代による作風の違いを見比べることができる。
  5. 三十三間堂:なんだかんだいって、ここは外せないだろう。数による圧倒的な魅力は、何ものにもかえ難い。

他、秋篠寺の伎芸天、大分磨崖仏(大分は磨崖仏が多い)、永観堂のみかえり阿弥陀、二尊院、鎌倉の大仏、長谷寺の観音・・・まだまだたくさんある。
ちなみに、大分は結構見所がある。磨崖仏以外にも、真木大堂、富貴寺(三大阿弥陀堂の1つらしい。他の二つは知らん。)などなど。

やっと、9冊目。

百寺巡礼 第九巻 京都2 (講談社文庫)

百寺巡礼 第九巻 京都2 (講談社文庫)